工業デザインの巨星逝く・・・  世の中スケッチ Vol. 6

工業デザインの巨星逝く・・・

日本の工業デザインの草分けとして知られるインダストリアルデザイナーの榮久庵憲司さんが亡くなった。キッコーマンの醤油ビンや、成田エクスプレスのデザインなど数々のデザインのほかに、JRAやコスモ石油、ミニストップなど企業のロゴマークも手掛けて、社会生活の中にデザインという概念を根付かせたパイオニアであることはご存知の通り。

じつは榮久庵憲司さんとは、仕事で15年近くご一緒させていただいた。

日本では唯一のデザイン系学生の卒業作品を対象にしたアワード(現在の『MITSUBISHI CHEMICAL JUNIOR DESIGNER AWARD』)の立ち上げからお力をいただいた。作品を見る鋭い眼光と、応募作品の審査会での選評コメント、授賞式での受賞者へ送るメッセージなど、榮久庵さんの口から発するフレーズは、若々しく、しなやかで、そしてデザインに対してのとてつもなく深い愛情を感じたことが印象に残っている。最後にお会いしたのは、昨年末の授賞式だった。“素直にデザインすること。ねじって、ひんまげたりすると、不潔になる”という言葉は、現在のデザイン界全体への強烈な遺言だったのかも…。

ご冥福をお祈りします。

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Shuji Hirose
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