会社に寄らず、仕事はカフェで  世の中スケッチ Vol. 3

会社に寄らず、仕事はカフェで

喫茶店やファーストフード店で、一心不乱にノートパソコンやタブレットに向かってキーを打ち続ける若いひとたちをよく見かけます。たいがい一人で座っていて、年齢的には30代から40代で、身なりもきちんとして(こういう表現は古いけど)、けっしてフリーターには見えない。でも会社人間にしては、日中からカフェに陣取って仕事なんていいのかな、とつい思ってしまいます。

巷では、こういうひとたちのことを“ノマド・ワーカー”と呼んでいるそうですね。恥ずかしながら、つい最近そういう言葉を知りました。

遊牧民を表すnomad ( フランス語のnomade ) から出た言葉で、会社のオフィスに縛られずに、喫茶店や図書館やファースト・フードでIT機器を駆使して移動しながら仕事をこなしていくひとたちで、ノマド族とも呼ばれているとか。以前から、早朝のカフェでノートパソコンに一生懸命打ち込んでいる若いビジネスマンやOLをみてきましたが、今や朝、昼、夜の時間に関係なく移動中のカフェや公園でも(!)ITの端末に打ち込んで仕事している。そういう姿をみていると、そんなに忙しいの、そんなに急いでいるの、そんなに大変なの、会社に戻って上司や同僚とやりとりしながらのほうがよっぽど質のいい仕事になるんじゃないの、とか、ついオジサンのお邪魔口を飛ばしてみたくなってしまいます。ひとむかし前、といっても14,5年前でしたか、『SOHO』という勤務形態が真剣に議論されたことがありました。Small Office/ Home Officeの略で、会社と自宅をパソコンで結び、自宅で仕事ができる、という“会社に行かない会社員”みたいな画期的な提案でした。それが今やインターネット環境が張りめぐらされて、どこにいても会社や取引先と繋がって、情報のやりとりや、情報の共有が容易になりました。移動しながら仕事ができるので、外出先の喫茶店とかに入ってコーヒー飲みながら仕事ができるようになったのですね。こういう傾向が企業や社会にとって本当にプラスになっていくのか、感覚派人間の私としては,どうもしっくりきません。文字通り一服してひと休みしようという喫茶店の空間が懐かしい。

1995年から‘70年にかけてGM車『シボレー』が“ノマド”という5ドアのステーションワゴンを販売していました。私もアメリカの旅先で運転したことがあります。

スピード感というより、ゆとりのある走りとリッチな空間の感覚がとても懐かしいです。

ノマド・カフェにいても、そういう感覚を味わえないのは…、やはりトシのせいかも。

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Shuji Hirose
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