アマスポーツの闇 世の中スケッチ Vol. 15

連日報道を賑わした日大の悪質タックル問題は、監督、コーチの永久追放という処分で一件落着したかにみえます。しかし、監督の指示に盲従せざるを得ない指導者と選手の関係は、程度の差こそあれアマスポーツ全般にまだ根強く幅を利かしているのではないかと危惧しています。ネット上では少年野球のコーチが年端もいかないひとりの選手を小突き回している動画を見たりします。周りに仲間の選手がいる中で公開リンチのように面罵されている子供の胸の内を想うと、胸がつぶれる思いがします。(そのコーチは解任されたそうです) 
かってプロ野球の選手が監督の采配に“ベンチがアホやから野球ができん”と記者の前で不満をぶちまけた例がありますが、プロの選手は生活がかかっているから納得できないと物を言うことができます。アマスポーツでは例え大学生のようにオトナになっても監督・コーチには絶対服従です。ある新聞のコラムには、選手から見た指導者との関係を、戦時中の上官の命令に服従せざるを得ない兵隊の苦渋になぞらえています。 
こちらも戦中派の悲しさで、記者会見した日大の選手の思いつめた表情を見ていたとき、いつか写真で見た特攻兵の顔と重なりました。悪質タックル事件で、じつは戦中の歪んだ規律が脈々と生き続けているのではないか、とアマスポーツの闇を垣間見た気がしました。

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